47.平成15 年度地質調査技士登録更新講習会報告 技術委員会

 地質調査技士の資格保有者は、新たに合格した人を含めて年々増加しており、これに伴って登録更新講習会の受講者も年を追うごとに増えております。今年度の東北地区の受講者は盛岡会場97名、仙台会場175名の合計272名と、ここ数年で最大規模となりました。

 講習会は昨年同様に北東北地区を対象とした盛岡会場と、南東北地区を対象とした仙台会場の2 会場で開催しました。日時は盛岡会場が「国保会館」で11月13日・14日、仙台会場が「ハーネル仙台」で12月4日・5日の両日で、以下のプログラムで行われました。

○1日目
・第1章地質調査業の現況と環境変化
・第3章ボーリング作業の現場管理と安全管理
・自由テーマ<特別講演>

○2日目
・第2章日本列島の地形・地質環境の特性
・第4章土質ボーリングに係る基本技術のレビュー
・第5章岩盤ボーリングに係る基本技術のレビュー
・第6章地質調査を巡る新しい技術の動向

 講師陣は例年どおり当協会の技術委員会のベテラン講師が当たりましたが、盛岡会場では昨年に引き続き(株)日研工営の森下純氏と奥山ボーリング(株)の小松順一氏にお手伝いを願いました。

 恒例となりました自由テーマは、秋田大学の及川洋先生(盛岡)と東北大学の三浦隆利先生(仙台)に2時間にわたって御講演をいただきました。

 及川先生は「土質工学における雑学的基礎知識」と題して、身近だけれども大切な題材を例にとり、時に受講者に質問するなど大学の講義を思わせる肩の凝らない講演でありました。

 三浦先生は近年問題となった青森・岩手県境での産業廃棄物不法投棄現場を題材に、その現状と修復に向けた取り組みをご自身の信念のもとに熱く語られました。いずれの講演でも受講者は熱心に聴講し、非常に良い企画であったと考えております。なお、両先生の講演内容につきましては、次号の「大地」に掲載を予定しておりますので、是非ご一読下さい。

 昨今のIT 化の波はボーリング現場にも及び、今年は全地連で開発中の電子野帳システムの紹介とアンケートを行いました。システムは携帯型端末(PDA )を利用したもので、従来から公開されていたパソコン用のシステムを移植したものです。当日は試作機を展示、実演を行いましたが、その反響は大きく、若いオペレーターから熟年のベテランまで是非使ってみたいという方が多数いました。全地連では来年には販売する予定とのことでした。

 長時間にわたる講習会は受講者の皆さんの協力で無事に終えることができたことに、事務局一同感謝申し上げます。

 これまで2 日間で行われた更新講習会も、平成16 年度から1 日に圧縮する方向で検討されており、受講者の負担が多少軽減されることを最後に付け加えておきます。

電子野帳システム 電子野帳システム
電子野帳システム
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